家系ラーメン集◎反町「中島家」

久々の大当たりである。ぜひ紹介したい。

 

この日、私は神奈川区役所に用事があった。年度を跨ぐ前に不要になった原付の廃車手続きをするためである。

 

なぜ年度を跨ぐ前なのかといえば、次の年度の自動車税を払わなくて済むようにするためである。しかし結果的には、逆に急遽カネを払う羽目になってしまった。

 

横浜から世田谷に引っ越した際に、原付のナンバーを変更しておらず、住民票の住所だけを変更してしまったため、世田谷にいた期間の税金の請求が、原付の所有者である私に届かず、廃車手続きの際に滞納していた分を払うことになった。

 

無論、払っていなかった分を払ったわけだから、なにも損ではないのだが、来年分を払わなくて済むようにと工夫して意気揚々と区役所に行ったつもりが、結局財布からカネが出て行ったわけであるから、若干モヤっとした。

 

そんなわけで(?)、ここは横浜市。家系ラーメンでも食べて帰ろうということになる。

 

東横線反町駅。ここに「中島家」がある。

もともと相鉄線天王町に店を構えていたようだが、店舗の火災によりこちらに移転したそうだ。

 

ここは天王町にある頃から、「キャベツラーメン」や「レタスラーメン」等、野菜が乗ったラーメンに定評があることを事前調査で調べていた。

 

券売機でキャベツとレタスを右往左往。非常に悩ましい。家系モードの胃袋からすれば葉っぱなんぞ些細なもの。キャベツとレタスってどう違ったっけ?となるわけである。

 

キャベツラーメンは家系ラーメン店でもメニューに用意している店をよく見かける。しかしレタスは珍しい。ということでレタスラーメンをチョイスした。

 

窓の大きな店舗で、明るく光が入るカウンターで待つ私のもとに丼が運ばれてくる。

丼を覆うのは紛れもなく生のレタス。キャベツならばおそらく、しんなり火を通すであろうが、レタスはフレッシュなまま乗っかっている。

 

ここで家系ラーメン店での初体験をする。目の前に丼がやってくると、なにやら芳しい香りが・・・! なんとレタスに大量の胡麻油がかけられているのである! まるで有名焼肉チェーン看板メニューのやみつきキャベツ的な感じである。いい匂いだ。これは家系なのか?という芳しい香りである。

 

そしてスープを見る。アタリの予感である。あくまで好みの話であるが、私はスープに浮かぶアブラのキメが細かく、スープが白すぎず(=notセントラルキッチン系)、赤すぎず(=not武蔵家傾倒系)、美しい茶色。アブラとスープが分離せず、美しい液面が拡がっている家系ラーメンにハズレはないと思っている。がっつりしたアブラのパンチこそ少ないものの、丁寧に作り込まれたシルキーなスープは味に奥行きがある場合が多い。(妙蓮寺「ゑびす」、黄金町「千家」等) 中島家のスープはまさに美しい。

 

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丼を覆い尽くすフレッシュレタスから手を付ける。がっつり豚骨にフレッシュレタス・・・シャキシャキとしたレタスを食べると、まるでこの豚骨ラーメンはサラダなんじゃないかという危険な錯覚に陥る。これはかなり危ない。

 

前述の予想通り、スープは乱暴さがないものの、物足りなさも皆無、うまい。

 

チャーシューはブロック状に分厚いが、全くパサパサでなく、ハムのような、あるいはステーキのような、柔らかい肉のうまさを感じる。塩気は強いので、レタスが救世主。

 

麺は中太ながら縮れていない。スープの絡みは減るものの、洗練されたスープと、レタスの爽やかさとの組み合わせが、ストレート麺の上品さとマッチして、また丼の完成度を押し上げる。

 

うまい。

 

ひとつだけ気になることがあるとすれば、レタスにかかった胡麻油は当然スープに流れ込むので、その芳しい香りの効果で、スープ本来の味を味わう機会を失ってしまった。

 

次回はノーマルのラーメンをオーダーし、この完成度の高いスープの個性を追求したいと思う。

 

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