家系ラーメン集◎新杉田「杉田家」

 神奈川は根岸線、横浜より南の新杉田にある「杉田家」

 言わずと知れた総本山「吉村家」直系の店(免許皆伝)だ。新杉田という立地柄、なかなか訪れる機会がないかもしれないが、本牧にある庭園、三渓園に散歩するついでにでも立ち寄っては如何だろうか。

 

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 直系ということで総本山の味を彷彿とさせる醤油の主張。濃厚ながらもドロドロ感は少なく、サラサラした舌触りにシャープな濃い味。そして、しっとりして肉の味を感じられるハムのような叉焼。カウンターにあるおろしニンニクは緑色。

 

 ただし、店内の雰囲気は総本山とは異なる印象だ。総本山には全国各地から修行のために門を叩きにやってくる。行列を作る客を手際よくさばく店員や、様々なオーダーを順序良く提供するテクニックは一級品ながら、店内の雰囲気はいつも緊迫しており、若い店員が叱責されている様子は日常の光景だ。

 

 しかし杉田家の方は、外国人の従業員が圧倒的に多い。母国の言葉で談笑している者もいれば、遠くを見てぼーっとしている者も。総本山と比べて和やかなムードで悪くはないが、この日の同行者によると、日によって味のばらつきがある模様。この辺りの条件が関係しておるのであろう。筆者的には、殺伐とした雰囲気の中で、味わう邪魔をされるよりは和やかなムードの方が好きだ。

 

 いずれにせよ、正真正銘、トラディショナルな“家系”を楽しむならここだ。

 

(著者SNSの過去の投稿より転載。一部改編。)